マト捕獲作戦

ほぼ週に一度、庭仕事をしてくれるキャディさん。
最近はなめくじも出ず、張り合いがないと嘆いています。

「でもね、庭はワンダーランドよ。まだ見ぬ生物がきっといるに違いないわ。
　さあゲルググさん、罠をかけに行きましょう」

　「おししですってば・・」　


罠をかけてから一昼夜。
なにかかかったようです。


　「あっ、なにか入ってるわよ！」


よく見ると、罠の中に人影が。というかマト影らしきものが・・。
さっそく取り出してみました。


　「まあ！あなたお名前は？一寸法師さん？」


　「失礼な！この富士山が目に入らないの？！」


「えっ？！いまなんておっしゃったの？お声が小さくてよく・・」

「小さい小さい言うな！この富士山が目に入らな・・」

「あらそう、ふじさんっておっしゃるのね。わたしはキャディ。よろしくね。
　まあ、プリンを持っていらしたの？大好物よ。さっそくいただきましょう」

「プリンじゃない！！富士山よ！！」

「ええ、ふじさん、よろしくね。こちらはオシムさんよ」

「いいえ・・おししです・・ふじさんよろしくお願いします・・」

「じゃあふじさん、さっそく仕度をするから、ちょっと待っててね」


キャディさんはおししを下ろすと、すばやく服を着替えました。
そしてふじさんを左手の平に持って、構えたのです。


　「さあ、いっしょに歌いましょう！ていうか歌ってちょうだい」



・・キャディさん、それがやりたかったのね・・。